ポリテクセンター山梨 建築CADサービス科
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
建築CADオペレーターや木造住宅の建築やリフォームの提案、木造住宅の設計補助など、建築業界で幅広く活躍するための専門知識と技能・技術を習得します。3ヶ月ごとに学ぶ2種類のCADソフトの操作方法と製図、インテリアエレメンツのコーディネート、福祉住環境整備を学びます。
訓練全体(6か月間)の目標人材像(訓練目標)
- 手描き、CADによる図面作成に加えてインテリア計画ができます。
- 福祉住環境の知識とCADの技術を用いた住宅改修図面の作成ができます。
総訓練時間
- 672時間 (訓練時間:648時間、就職支援等:24時間)
訓練内容 「住宅の法規と建築CAD」「工具取扱いと模擬建屋実習」など
1.「住宅の構造・製図」(108h)
住宅模型を作成し、木造住宅の構造の仕組と建物を建てる順序について学びます。
手描きによる製図を通して図面の表現方法(建築製図通則)や作図順序を学びます。
2.「住宅の法規と建築CAD」(108h)
木造住宅に関連する項目を中心に建築基準法や建築に関する法律等を学びます。
2次元CADソフト(jw_cad)を用いて基本図形や建築図面を作成しながら基本操作を習得します。
3.「建築CADとインテリアコーディネート」(108h)
2次元CADソフト(jw_cad)を操作し、各種建築図面(平面図、立面図、断面図等)を効率よく正確に作成する方法を習得します。
手描きによる住宅インテリア製図の手法やインテリア空間に関する色彩計画や家具レイアウトの知識を習得します。
4.「工具取扱いと模擬建屋実習」(108h)
手工具や電動工具等を使って原寸大のカットモデルを作成します。木造住宅の内装(床・壁・天井)の下地と仕上げ施工を行い、部材の役割等を理解します。
5.「建築CAD」(108h)
2次元CADソフト(AutoCAD)を操作し、各種図面(詳細平面図、詳細断面図)を効率よく正確に作成する方法を習得します。
6.「福祉住環境整備技術と3次元シミュレーション」(108h)
手すりの取付け方や段差解消等のバリアフリー改修方法を学びます。改修計画をもとに施工図面を作成し原寸大カットモデルの改修を行うことで、より実践的な技術を身に付けます。
住宅・建築プレゼンテーションソフト(3Dマイホームデザイナー)を用い、「間取りプラン」「3Dパース」「プレゼンボード」等、プレゼンテーション資料の作成方法を習得します。
訓練に関する職種と仕事内容
一般的な職種名
建設技術者、CADオペレーター、住宅・不動産会社営業部員
建設技術者の仕事
学校や病院、劇場、デパート、ビルなど、さまざまな建物を、その用途に応じて、設計図をつくり、その設計図をもとに、建築現場で実際の作業員を指揮・監督するのが、建築設計技術者です。
建築設計技術者は、一般的に、建設会社の設計部門や設計事務所などで働いています。
建築設計技術者は、建築物の設計図面を引く設計と 建築現場での作業員の指揮・監督する施工に分かれます。
建築設計技術者は、まず、建築設計の依頼を受けると、その規模や用途、予算などの条件に従って、基本設計し、設計平面図や模型などをつくり、完成後の建物の姿を明らかにします。
次に、インテリアや材質といった、細かい部分を決める実施設計をします。平面図、立面図、断面図など、実際に建築するために、構造や設備の設計をして、必要な設計図を作成し、工事費用を割り出します。決められた予算内で、いかに 依頼主の要望に合った建物にできるか、最も知識・技術が求められます。
建築設計技術者は、建築が始まると、建築現場で、工事監理をします。工事が設計図面通り進められているか、品質管理は適切に行われているかなど、建築中の現場に足を運び、作業員の工事を指揮・監督します。
CADオペレーターの仕事
さまざまな建物や機械などをつくりだすため、まず、そのイメージを伝えるスケッチや設計図が必要です。以前はトレーサーが手描きで、設計者の下書き設計図を写して、製図をしていた図面を、コンピュータの専用ソフトを使って、製図の図面を正確に描くのが、CADオペレーターです。
CADとは、コンピュータを使ってデザイン(作図・設計)すること(Computer Aided Design)です。
CADオペレーターは、企業の設計部門やデザイン会社などで働くか、派遣会社に登録しています。CADオペレーターは、建築、機械、電気、インテリアなどさまざまな図面を、コンピューを使って、設計の規格で決められた記号や作図コマンド(入力する記号)を入力して、作図をします。
オペレーターはまず、手描きや書き込みのある図面、ラフスケッチなど、CAD化する図面を受け取ります。
次に、CAD化する図面の種類によって、それぞれ決められた記号、コマンドを入力します。オペレーターは、設計者の意図を読み取りながら、正確に図面を作成します。CADソフトにはいろいろ種類があり、数種類のソフトを使いこなす必要があります。そして、入力が終わると、図面を印刷してチェックし、完璧な図面にします。
住宅・不動産会社営業部員の仕事
住宅や土地、オフィスビルなど不動産の分譲、賃貸、中古物件販売の仲介業務を行い、売り手と買い手、貸し主と借り主の間の橋渡し役を果たすのが、住宅・不動産会社営業部員です。
新築住宅の分譲などの仲介業務では、店舗でのカウンター業務だけでなく、お客様を現地に案内し、商品である住宅を勧めます。営業部員は、間取りや建材などの情報はもちろん、住宅金融や税金対策などについても説明します。商談が成立すると、宅地建物取引主任者が、契約書を作成します。住宅引渡し後も、補修や点検などサービスをします。
中古物件売買の仲介業務では、住宅を売りたいお客様の元へ出向き、間取りや部屋の壊れ具合、転居の希望日時、販売希望価格など、情報を収集します。売り主の希望価格と市場価格を照し合せ、販売価格を決定します。販売にあたっては、チラシを賃貸住宅の郵便受けに配るなど、物件を宣伝します。
賃貸物件の販売仲介業務では、お客様の要望を聞き、広さや立地条件、賃貸価格などが最適な物件を選び出し、アパートやマンションなどの賃貸住宅を紹介します。
お客様のスケジュールに合わせて営業活動を行うため、休日も勤務することがあります。