ポリテクセンター関東 電気設備コース
訓練の概要(訓練により習得できる技能)
家電や食品など、製造業で量産される製品は、工場内の生産ラインで工業用ロボットが生産しています。この分野では、生産設備の高度化のため、広範な知識を持ち、ハードウェアだけでなくソフトウェア面でも対応できる制御基盤設計者、メンテナンス要員等の技術者が不足しています。
実習をとおして生産ラインに使われているセンサ、モータ、コンピュータ等のハードウェアおよびソフトウェア、配線工事、配線図面について学び、製造現場への就職をめざします。
訓練全体(6ヶ月間)の目標人材像(訓練目標)
- プログラマブルコントローラ(PC)による自動化システムの制御ができる。
- 電気機器、制御機器の取扱い及び保全・改善ができる。
総訓練時間
- 669時間
訓練内容 「シーケンス制御技術」「制御盤製作」など
1.「電気工事」
■内容
一般電気工作物の設計、工事、試験、検査に関する技能及び関連知識を習得します。
■項目
・電気回路基礎
・電気図面の見方
・電線接続
・設計・施工
・各種工事施工法
2.「シーケンス制御技術」
■内容
自動機の構成要素であるアクチュエーター(作動装置)の制御・選定に関する技能および知識関連を習得します。
■項目
・測定器利用方法
・有接点シーケンス制御
・電気系故障発見・復旧
(マイコンはRL78を使用します。)
3.「PLC制御技術基礎」
■内容
PLC(プログラマブルコントローラ)を用いた回路、各種周辺装置についての制御方法に関する技能および関連知識を習得します。
■項目
・プログラマブルコントローラ(工業用コンピュータ)基礎
・自動化用センサ
・自動化用モータ
4.「PLC制御技術応用」
■内容
リンク、タッチパネル、サーボモータ等PLCと連携可能な機器を用いたFAモデルの制御に関する技能及び関連知識を習得します。
■項目
・計算機リンク制御技術
・タッチパネル制御技術
・サーボモータによる位置決め制御技術
5.「FAシステム要素技術」
■内容
より高度な制御を可能にするための駆動回路制御について、その関連知識および技能を習得します。
■項目
・モータの種類と特性
・モータ制御回路
・インバータ制御
6.「制御盤製作」
■内容
制御盤製作に係る仕様書の作成、CADを用いた設計、さまざまな工具を用いた加工、配線等に関する技能及び関連知識を習得します。
■項目
・電気CAD基本操作
・屋内配線図作成
・配電盤の加工、機器取付け、配線
・配電盤の検査
受講者の入所前の職種と修了後に就職した職種の例
(前職) (修了後の職種)
・トラック運転手 → ・電気工事
・配送 → ・制御盤製造
・事務職 → ・設備管理
・接客 → ・設備管理
・製造ライン作業者 → ・設備管理
・営業 → ・電気工事
・サービス業 → ・制御盤組み立て
訓練に関する職種と仕事内容
- 制御盤設計技術者
- 配電盤・制御盤組立工・修理工
- 電気工事作業者
制御盤設計技術者
建物や工場内の設備を自動制御するために、必要な電気回路図面の作成や機器選定、施工管理、積算などを行う仕事で、設備の設計に携わる非常にやりがいのある仕事です。
制御盤設計技術者は、設備を構築するための広域な知識と技能が要求され、キャリアアップしていくに従い管理能力も必要となります。
配電盤・制御盤組立工・修理工
建物や工場内の設備を自動制御するための、複雑な電気回路の組み立てや修理を行う仕事で、制御盤設計技術者が作成した図面を読み取り、図面どおり正確に配線や機器の設置あるいは機器の取替え、時には修理を行います。
キャリアアップしていくに従い、制御盤設計技術者となり施工管理、回路設計、積算などの仕事もします。
電気工事作業者
電気の配線、機器設置を行う仕事で分電盤やコンセント、照明機器等を取り付け、機器を使用できるようにします。また、修理や修復工事を行います。
作業は、災害の発生を防ぐための、安全法令や基準を守りながら行います。キャリアアップしていくに従い、現場だけでなく施工管理、設計、積算などの仕事もします。